ツォルキン/TZOLK'INプレイ人数:2-4 人プレイ時間:90-120分程度 2人で楽しめる, ボードゲームに少し慣れた人へ, 目で楽しめる, マヤ暦をモチーフとし、歯車を扱う新感覚ボードゲーム。 拡張版:部族と予言 について追記しました(2013.11.17) |
プレイヤーは古代マヤにおいて資材を集めて建物を建築したり、水晶ドクロを奉納したりして信仰を深めていきます。
大きな歯車は自身のワーカーを置くスペースで、
各プレイヤーは毎ターン、ワーカーを好きなだけ置くか、好きなだけ取ってアクションを実行するかのどちらかを選ぶことができます。
毎ターンごとに歯車は1ずつ進んでいき、時が進めば進むだけ、ワーカーは強いアクションを実行できるようになります。
資材を払って建物を建てたり、技術を高めてアクションを強くしたり、
神様に水晶ドクロを奉納したりして勝利点を稼ぎ、一番多くの勝利点を手にしたプレイヤーの勝利となります。
【評価と感想】
見掛け倒しではない良質なワーカープレイスメントゲーム。
とにかく存在感が大きい歯車ですが、もうこれ無しではこのゲームは存在できなかったぐらいシステムにも深く絡んでいます。
毎ターン、ワーカーを置くか取るかのどちらかしか出来ないため、
アクションをどの段階で使うかというジレンマに常に悩まされることになるゲーム。
時間という新しい次元が加わったため、資源、食料供給、建築などの計画の構築がより複雑になっていて、おそらく人によっては物凄く苦手なゲームとなってしまうでしょう。
しかしながら、時間という新しい軸までも上手く扱い自身の信仰を上げていけた際の面白さはそれだけ深くなっています。
勝利点の稼ぎ方にもいくつかのルートがあり、繰り返し遊んでもダレないのは最早ワーカープレイスメントゲームでは当たり前となっていますが、
このゲームでは最初から最後まで、自分の前に常にいくつかの展開が待っていて、
ワーカーの扱いによって、そのどれを選んでも上手に勝利点へと収束するようになっているため、
他のゲームより自由度が高いように感じました。
ただそれだけに、歯車を2度進められるという行動が存在してしまっているのは、個人的にはちょっと残念です。
他のプレイヤーとのより深い絡み、ワーカープレイスメントゲームに生じがちなソロゲーム感を減らすという意味では機能しているのですが、
歯車とワーカー配置のシステムから、前のターンでの行動が後ろのターンでダイレクトに影響を受けてしまう性質上、計画が狂った時のリカバリーが効きづらいのですよね。
一応、食料であるところのコーンを支払うことによる救済策もあるのですが、
食料がカツカツになりがちなこのゲームではそれも結構辛かったり。
ただこれは自分のやりたい事ができないと悲しい気持ちになる単なるゆとりな発言なので、
あまり気にしなくてもいいと思います。
ボードゲームに少し慣れたぐらいのプレイヤーだと初め2~3回はまったくゲームに参加できなくて心が折れそうになっていまいますが、
やり込めばやり込むだけ面白くなるゲームの典型なので、是非繰り返し遊んで貰いたいと感じます。
ちなみに僕の大好きなシープランドも同じデザイナーさんの作品とか。
あれも羊の動かし方がリアルで面白かったので、このデザイナーさんのルールによるリアルの表現を今後も期待しております。
(2013.11.17追記)
拡張版の予約が日本でも始まったそうで。
・5人プレイが可能になったこと。
・クイックアクションの追加
スタートプレイヤーの移動しか無かったクイックアクションに、
資源を手に入れたり、技術を伸ばしたりできるアクションが追加されました。
これらは歯車が動く度に変わる模様。
・部族の追加
通常ルールである初期資材に加えて、部族による特殊能力が書くプレイヤーに与えられるように。
(例)―最初から5人ワーカーでスタート。その代わり常にコーンコスト+1
・予言の追加
歯車の2・3・4クオーターごとに、それぞれ別の予言が適用。
予言は一般にプレイヤーにより辛いコストを課しますが、予言の適用が終わると同時に、持っている資源や技術、建物に応じて得点がもらえるとか。
(例)―収穫に寄ってもらえるコーンが1少なくなる。予言終了時コーン収穫タイルに応じて得点。
よりプレイヤーの個性が強くなって面白そうっちゃ面白そうですが、
予言ボーナスは勝ち筋の個性が少なくなりそうで個人的にはちょいと不安。
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